/51 徳兵衛「漂流記」に見るサービス精神 /岡山
毎日新聞
2022/12/2 13:30(最終更新 12/2 13:30)
有料記事
1406文字
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

日本がまだ鎖国中だった1852年夏。香港に停泊中だった米国・東インド艦隊の黒船「サスケハナ号」で暮らしていた日本人漂流民16人のうち、岡山県倉敷市出身の徳兵衛ら9人は、黒船での帰国実現に疑いを持ち、別の帰国の道を狙って逃走を試みたが、早々に山道で強盗団に襲われて身ぐるみ剥がされ、仕方なく黒船に戻ってきた。
逃走がばれないようにと、船に残った7人には「9人は女たちと遊んでいる」と米国人に言うように頼んでおいたので、戻ると黒船の船員たちに「女に金も衣類も全部巻き上げられた」と笑われて逃走劇は終了した――と、一緒に逃走した鳥取県出身の文太(利七)らは体験談で伝える。しかし、徳兵衛の伝える逃走劇の締めくくり部分は、少し違う。
この記事は有料記事です。
残り1093文字(全文1406文字)