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「定額働かせ放題」。映画界の悪習をこう表現するのは、「映画業界で働く女性を守る会」代表のSAORIさんだ。
撮影現場は作品を作る楽しさを求め自ら飛び込んだ人ばかりだから、不安定な契約で長時間労働を強いられても、「ヤバイね」と言いつつ楽しんでしまう。SAORIさんもそのひとりだった。高校時代にボランティアで撮影に関わったことをきっかけに映画界に足を踏み入れ、そのまま小道具として夢中で仕事をし、10年ほどキャリアを積んだ。
「これっておかしくない?」と気付いたのは出産、子育てを経て仕事に復帰してからだ。小道具は、画面に映る細々とした物を用意する。監督のイメージや時代背景に合わせ、ふさわしい物を探し、借りたり買ったり、あるいは作ったり、とにかく撮影日までにそろえなければならない。撮影部や照明部はカメラが回らない撮休日は休めるが、小道具は準備に走り回る。
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