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「娘より信仰を取ります」――。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への高額献金を巡り、両親と絶縁状態に陥った元2世信者の女性がいる。女性は両親が寄付した1億6000万円の全額返金を求めてきたが、教団側は応じず、3000万円の返金のみ提示。両親は女性の意向に反して合意し、親子間に深刻な亀裂が生じている。被害者救済に向けた新法案の審議は大詰めを迎えているが、女性は「家族が救われるような法整備を」と訴えている。
祖父の遺産を一括寄付
関東地方に住む30代の女性は、合同結婚式で結ばれた両親のもとに生まれた。幼少時から教会に通っていたが、教義への疑問から2015年に脱会した。
女性が高額献金の詳細を知ったのは22年9月20日。教団を巡る献金トラブルが各地で問題になったことをきっかけに、家族から知らされた。高齢の両親が20年前、母方の祖父の遺産1億6000万円を一括で教団に寄付したという。
当時、教団は韓国で「天正宮博物館」という施設建設を進めており、寄付はその費用に充ててもらう趣旨だった。両親は高額寄付者として、教団施設に名前を刻まれたという。実家には、信者が3000万円で購入するといわれる「聖本」やつぼ、経典なども多数あった。
ただ、子どもの頃から両親の収入に余裕はなかった。ガスや水道代を節約するため、風呂に入るのは2日に1回。服は他の信者のお下がりを着た。
「高額献金さえしなければ、生活に苦労することもなかった。両親の老後の生活も心配だ」。そう考えた女性は教団に返金を求めるよう両親に持ちかけ、両親も一度は了承した。
「聖本1冊分も請求したくない」
しかし1週間後の同月27日、母親の態度が硬化した。「(献金は)もう昔のこと。聖本1冊分(3000万円)も返金請求したくない。娘より信仰を取る」と言い放った。…
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