課題山積、正念場のNHK 新会長に求められる絶妙なバランス

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東京・渋谷のNHK放送センター=尾籠章裕撮影
東京・渋谷のNHK放送センター=尾籠章裕撮影

 NHKの前田晃伸会長(77)が来年1月の任期満了で退任し、新会長には日本銀行元理事でリコー経済社会研究所参与の稲葉延雄氏(72)が決まった。前田会長は組織のスリム化や経費削減を進め、受信料の過去最大の大幅値下げを決断した。さらに現在検討中のインターネット業務の位置づけや、視聴者サービスの維持など、課題が山積。一方でNHK内部からは急な改革による不満が噴出している。新会長は就任早々、正念場を迎えそうだ。

「官邸が人選に深く関わる動き」

 経営委員会の森下俊三委員長(関西情報センター会長)は5日夜に記者会見した。稲葉氏を選んだ理由について、「自立性が求められる日銀で日本経済の発展に貢献し、豊富な経験や知識見識がある。また、リーダーシップ、人の話を聞く力や組織風土を変える力がある。さらに、NHKが公正公平を重んじる公共メディアである点を強く意識し、ガバナンス強化に期待が持てると判断した」と説明した。「新しいことを進めるリコーで役員を務め、その経験が生きるのではないか」と期待を込めた。

 会長職は2008年までの約19年間、NHK出身者が務めてきた。だが不祥事が相次ぎ、経営改革の必要性が指摘され、08年にアサヒビール相談役の福地茂雄氏が就任。以降、前田会長まで5代にわたり経済界出身者が務めてきた。

 また近年、会長の人選にあたっては「首相官邸の意向」がたびたび指摘されてきた。

 会長を選ぶのは経営委員会だが、…

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