- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

「金」の価格が上昇中だ。ウクライナ危機を受けて取引価格が上がり、歴史的な円安が高騰に拍車をかけている。なぜ、いま人々は金を求めるのだろうか。その謎を解明するため、金に詳しい人々を訪ねた。
買い取り量「近年にない規模」
まず訪ねたのは、地金販売の国内最大手、田中貴金属工業(東京)だ。毎日新聞をはじめ国内メディアが金価格を報じる際、基準としているのが同社の販売価格だ。
「3月はものすごかった。価格上昇を受けて『金を売りたい』という人が殺到し、感染症対策で入店人数の調整をしたにもかかわらず、買い取り量は近年にない規模になった。販売量に比べ、買い取り量は2・5倍にもなった」。同社の加藤英一郎・貴金属リテール部長はこう振り返る。
金価格が高騰する局面には共通点がある。世界経済の混乱や、戦争・紛争の長期化など世界的に「不安」が高まる時期になると金の取引が活発になりやすいという。「金は古代より権力や富の象徴だった。このため金は代表的な『安全資産』と見なされ、世界が動揺すると、金価格が上がる傾向にある」(加藤さん)
最近の価格上昇は、まさに加藤さんが指摘する通りになった。
近年、金価格が大きく動いたのが2020年だ。1月に…
この記事は有料記事です。
残り1738文字(全文2249文字)