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東京五輪汚職

東京オリンピックのスポンサー選定を巡る汚職事件で、大会組織委元理事らが逮捕。祭典の裏で何が。

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五輪談合、なぜ1社だけ捜査対象外?浮かぶ「ガチンコ入札」の実態

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東京オリンピックでセーリング競技の会場となったヨットハーバーがある江の島(手前)=神奈川県藤沢市で2019年1月29日午後1時49分、本社ヘリから玉城達郎撮影
東京オリンピックでセーリング競技の会場となったヨットハーバーがある江の島(手前)=神奈川県藤沢市で2019年1月29日午後1時49分、本社ヘリから玉城達郎撮影

 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が発注したテスト大会の計画立案業務を巡る談合事件は、落札した9社中1社だけが強制捜査の対象から外れる事態となっている。このことは、談合の輪から排除される“1社外し”があったことを意味するのだろうか――。組織委や落札企業の関係者が、その「実態」を証言した。

捜索されなかった大広 「適正に入札した」

 「適正に入札したと考えている。(捜査当局から)社員への事情聴取の要請もない」。東京地検特捜部と公正取引委員会が、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で11月25日に大手広告会社「電通」(東京都港区)などに捜索に入ってから1週間後の今月2日。落札企業9社中唯一捜索を受けていない広告会社「大広」(大阪市)の担当者は取材にこう答えた。

 大広が落札したのは競技会場ごとに実施された一般競争入札26件のうち、セーリング競技が行われた「江の島ヨットハーバー」(神奈川県藤沢市)。組織委の公表資料によると、2018年8月20日に大広が約400万円で落札した。資料には他に「技術点及び価格点を総合的に評価した結果、他社より優位であると認められた」と選定理由が記載されるのみで、入札参加者数や企業名、予定価格は明らかにされていない。

 大広の担当者は「入札参加時点では、組織委から他社の状況は一切知らされなかった。受注が決まってから他に応札していた会社があったと組織委から開示された。(他に応札した)企業名は守秘義務があり、教えられない」とした。大広は組織委元理事の高橋治之被告(78)=受託収賄罪で起訴=を巡る汚職事件で、スポンサー選定の代理店に選んでもらう見返りに約600万円を元理事に渡したとして執行役員が贈賄罪で起訴されているが、担当者は「社内調査の結果、弊社は談合には関係ないと考えている」と強調した。

セーリング会場の入札「ガチ勝負」か

 テスト大会は本番と同じ会場で実施することで、警備などの課題を事前に洗い出し、運営側の能力向上を図る目的がある。江の島ヨットハーバーは1964年の東京五輪でセーリングの競技会場として整備された歴史ある施設だ。大広は日本セーリング連盟とかねて付き合いがあったことから、五輪事業への参加を目指しこの競技会場のみ入札に参加したという。

 では、大広の「ライバル社」はどこだったのか。…

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【東京五輪汚職】

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