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国内外の異なる部署で取材する14人の中堅記者が交代で手がけるコラム。原則、毎日1本お届けします。

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隣の席がぽっかり空いた理由は?

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「マイナスの数よりプラスの数を数える」をモットーに、山田千紘さんは、義足や義手を隠すことなく生活している=本人提供
「マイナスの数よりプラスの数を数える」をモットーに、山田千紘さんは、義足や義手を隠すことなく生活している=本人提供

 「明るく紹介してくださいね」

 取材を申し込むと、こう言って快諾してくれた東京都の会社員、山田千紘(ちひろ)さん(31)。ときどき見かけませんか? 混雑した電車内でぽっかり空いている一席。さまざま理由はあると思いますが、横の席が空いた経験が何度かある山田さん。同じ体験をした友人の投稿につられて、「少し傷ついた(笑)」とツイートしました。【デジタル報道センター・生野由佳】

ぽっかり空いた隣の席

 やや混雑した電車内。長椅子に座った山田さんの右横は、大人1人分を空けて、その横はずらり埋まっていた。乗客の顔が写らないように、こっそり左手でスマホを持ち、足元に動画を回した。立っている人が目立つ中で、ぽっかりと空く座席を。

 11月24日、この動画を投稿し、ツイートした。

 <こういうの地味に傷つくのね(笑)>

 実は、山田さんは20歳の時、交通事故で両足と右腕を失った。この日は、半ズボンで左右の義足がはっきりと見えていた。パーカの右袖部分はぶらんぶらんしないように、ぎゅっと結んでいた。その横の席がぽっかり空いたのだ。

 ツイートはこう続いた。

 <この時期なのに半ズボンだから?>

 <片腕なくてパーカー結んでるから?>

 <両足の義足がカッコいいから?>

 そして、クスッと笑いが起きそうなハッシュタグで締めた。

 <#山田の隣り空いてますよ>

 会社員の傍ら、ユーチューバーとして活動し、ツイッターは約1万人のフォロワーがいる山田さんだが、動画の再生数は3万6000回以上に。この投稿にはきっかけがあったという。

 数日前、…

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