大ヒット発明 「悩み」をヒントに 89歳「張り合いしかない」

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11年前に考案した「ペットボトル開けるくん」を手にする佐藤美恵子さん=東京都町田市で2022年11月24日、春増翔太撮影
11年前に考案した「ペットボトル開けるくん」を手にする佐藤美恵子さん=東京都町田市で2022年11月24日、春増翔太撮影

 特別な知識や技術を持ち合わせていなくても、すぐに始められるのが「発明」だ。日ごろの生活で感じる不便なこと、困りごとを解消するためにしている工夫がその第一歩となる。自分のために作った道具が売り物になり、やがて大ヒットすることもある。

力の衰えをきっかけに発明

 東京都町田市の佐藤美恵子さん(89)は、商品化した発明品が人気を呼び「死んでる暇もない」と笑う。11年前に初めて作った「ペットボトル開けるくん」は今も全国の生協に並び、年間3万~4万個を売り上げる。ペットボトルのふたにかぶせ、小さな力でも開けられるようにする道具だ。輪ゴムの材料になるゴムチューブを長さ4センチに切って染色し、穴を開けてひもを通す手作りだ。1個400円で販売している。

 開発したきっかけは、ペットボトルのふたが開けづらくなり力の衰えを感じたことだ。思い立って作った、平たいゴムを輪状に巻いた試作品は滑り止めとなり、さほど力を入れなくてもふたが開いた。

 発明愛好家らを支援する一般社団法人「発明学会」(東京都新宿区)の存在を知って相談し、2011年に特許を取得した。商品化を目指して試行錯誤を繰り返し、直径2・8センチのゴムチューブを使う今の形にたどり着いた。

 インターネットで国内の製造業者を探して問い合わせたが、切り売りはしていないという。仕方がないので1本30メートルのチューブを赤、緑、黄色の3本、計90メートル購入した。「でも、こんなに売れるなんて思ってなかったのよ」

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