「可能性はゼロじゃない」開成から東大、秀才野手が選んだ就職先
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東大野球部出身の社会人野球選手が来春、3人誕生する。その一人が、宮崎湧外野手。開成高、東大と学業のエリートコースを歩んだ22歳は、なぜ就職先に社会人野球を選んだのか。きっかけは、チームの連敗を64で止めた試合後に流した涙にあった。
止まった連敗、開けた可能性
11月下旬、内定後初めて、日本通運野球部の練習に参加した。日本通運が東大から選手を受け入れるのは初めて。「不安に思う部分もありますが、楽しみの方が大きいです」。社会人野球の世界で勝負すると決めたのは、半年前のことだ。今春までは不動産や運輸業などへの一般就職を目指し、野球の傍らで就職活動に汗を流していた。
東大野球部では1年秋から東京六大学野球リーグ戦に出場。3年でレギュラーに定着すると、責任感とともに「連敗」の現実が重くのしかかった。チームは2017年秋から敗戦続きで、トンネルを抜け出せずにいた。自身も3年春のリーグ戦ではエース級投手の球に対応できず、何度も好機に倒れた。試合後、神宮球場で観客の前を歩くと、惨めで情けない気持ちになった。
先にリードしても、終盤まで競っても、最後には負ける。「本当に勝つのは無理かもしれない。このまま1勝もできずに引退するのかな」。本格的に野球を続けるのは大学までと思い、卒業後の就職先を探し始めた。
だが、転機が訪れる…
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