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美術評論家で大原美術館館長の高階秀爾さんのコラムです。展覧会だけでなく、今気になるさまざまなテーマを取り上げます。

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12月 国立西洋美術館 ピカソとその時代展 多面体の芸術家=高階秀爾

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パウル・クレー「子どもの遊び」  1939年 のり絵の具・水彩、厚紙 縦42・8センチ、横32・3センチ ベルリン国立ベルクグリューン美術館 © Museum Berggruen – Nationalgalerie, SMB / bpk / Jens Ziehe
パウル・クレー「子どもの遊び」  1939年 のり絵の具・水彩、厚紙 縦42・8センチ、横32・3センチ ベルリン国立ベルクグリューン美術館 © Museum Berggruen – Nationalgalerie, SMB / bpk / Jens Ziehe

 優れた芸術はひとつの多面体であると喝破したのは、19世紀イギリスの批評家、ジョン・ラスキンである。芸術作品、さらに芸術家は、ただひとつの顔を持っているだけではなく、さまざまな面を備えているという意味である。

 現在、東京・上野公園の国立西洋美術館で開催されている「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」は、ラスキンの名言を裏付ける格好の実例と言ってよいであろう。

 扱われている作家は、ピカソ、マティス、クレー、ジャコメッティの4人、それに、ピカソに大きな影響を与えたセザンヌの水彩画とキュビスム時代の仲間ブラックの作品が加わる。

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