連載

くらしの明日

社会保障のあるべき姿を専門家が論じます。

連載一覧

くらしの明日

私の社会保障論 「五方良し」は可能か=千葉大予防医学センター教授・近藤克則

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷

 多くの人が一度は聞いたことがある「三方良し」。「売り手良し」に加えて「買い手良し」、さらには「世間良し」の三つがそろってこそ、持続可能になるという。では社会保障の持続可能性を高めると期待されるPFS(成果連動型民間委託契約方式、Pay For Success)を聞いたことがあるだろうか。

 PFSでは、行政課題の解決に対応した成果指標を設定し、成果指標値の改善状況に連動して委託費などを支払う。医療・健康、介護、再犯防止を重点3分野として、政府が普及を進めようとしている。ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)は、その一類型で、民間の資金提供者から資金調達をするものを指す。

 従来は、例えば介護予防事業なら「1回90分の転倒予防教室を10回行う」などの仕様に従えば、成果によらず委託費全額を支払っていた。PFSでは6割など一部は払うが、成果指標を達成しなければ4割は支払わない。逆に、達成すれば、その度合いに応じ報酬を上乗せする。

この記事は有料記事です。

残り514文字(全文931文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集