“荒業”の救済法案成立 「辞任ドミノ」振り切り臨時国会閉会へ
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第210臨時国会は10日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題を受けた被害者救済法案を成立させて閉会する。会期中、閣僚不祥事などに見舞われた岸田文雄内閣は、譲歩を重ねて辛くも閉会の道筋をつけたが、閣僚らの疑惑は解消されないままだ。与党内には局面打開に向けた内閣改造観測などがくすぶり、政治情勢は2023年1月召集の通常国会までに流動化する可能性をはらむ。【花澤葵、李舜】
「サッカー日本代表戦でいうと、前半は相当厳しい流れだったが、後半は『補正予算案』『救済法案』の2ポイントを取った」
自民党の茂木敏充幹事長は8日の茂木派会合で、サッカー・ワールドカップ(W杯)で日本が強豪スペインを破った試合を引き合いに、今国会を振り返った。「逆転とまで言えないかもしれないが、いい形で国会を閉じることができる」
10月3日に召集された臨時国会の会期末を10日に控え、与党内には安堵(あんど)感が広がっている。今国会は、旧統一教会と多数の自民党議員との接点が判明した問題や相次ぐ閣僚不祥事などで、与党側がほぼ終始、守勢に回る展開だったからだ。
特に11月後半までは危機的だった。旧統一教会との接点が次々と明るみに出た山際大志郎前経済再生担当相が10月24日辞任。11月11日には「死刑」を巡り軽率な発言をした葉梨康弘前法相が、同20日には「政治とカネ」を巡る問題が露見した寺田稔前総務相が辞意表明に追い込まれ政権末期の「辞任ドミノ」の様相だった。
「更迭」判断が後手にまわった首相自身も批判にさらされ、野党は「スリーアウトでチェンジだ」(共産党の小池晃書記局長)と攻め立てた。辞任のたびに紛糾する国会の正常化のため…
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