慢性心不全を遺伝子治療 マウスの心臓ポンプ回復 筑波大など

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顕微鏡で見たマウスの心臓の細胞。中心部分の色が変わっている所が慢性心不全から回復した部分=家田真樹・筑波大教授提供
顕微鏡で見たマウスの心臓の細胞。中心部分の色が変わっている所が慢性心不全から回復した部分=家田真樹・筑波大教授提供

 慢性心不全となったマウスの心臓の細胞で、心臓を形作るのに必要な四つの遺伝子が機能するようにしたところ、血管の詰まった「梗塞(こうそく)巣」の部分が半分に縮み、心機能を改善させることに成功したと、筑波大などの研究チームが明らかにした。

 研究チームの家田真樹・筑波大教授は「ポンプの働きがなくなる『心臓の線維化』は、元の状態に戻らないと考えられていたので、新たな治療法に道が開ける可能性がある」と話す。研究結果は、12日付の米医学専門誌「サーキュレーション」で発表された。

 心筋梗塞などが原因となる心不全は、ヒトでもマウスでも心筋細胞が、ポンプの働きをしない「線維芽(せんいが)細胞」に置き換わることで、症状が悪化する。

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