「看板ドック」知ってますか 最新技術で挑む落下事故防止

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超音波検査機器で看板を支えるポール内部の状況を診断する検査員=レガーロ提供
超音波検査機器で看板を支えるポール内部の状況を診断する検査員=レガーロ提供

 店舗などの看板が老朽化して落下する事故をなくそうと、人間ドックならぬ「看板ドック」と名付けたサービスを掲げる企業がある。最新技術で老朽化の進み具合など、看板の安全性を数値化する試み。看板に特化した点検事業に参入したのは、約8年前に起きた悲惨な事故を繰り返さないようにという社長の思いがあったからだ。

かに料理店の事故が契機に

 店舗の外壁に取り付けられたりポールに支えられたりした看板の落下事故を未然に防ぐため、看板ドックを開発したのは東京都世田谷区の看板製作会社「レガーロ」。これまでの点検は目視や触診が中心だったが、看板ドックは超音波検査機器などを使って看板内部や地中の基礎部分の劣化状況を診断し、部分ごとの危険度を「診断カルテ」として顧客に示す。

 開発のきっかけは20代の女性が重傷を負った事故だった。2015年2月に札幌市の飲食店「札幌かに本家 札幌駅前本店」で看板が落下。歩道にいた女性の頭部に直撃し意識不明の重体となった。裁判資料によると、店の外壁に設置されていた鉄製看板の支柱の一部(長さ1・5メートル、縦横30センチ、重さ約25キロ)が約15メートル下の路上に落下した。接続部分が腐食などで劣化していたという。

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