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東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

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避難指示解除から半年も帰還は1人 重い11年の歳月 福島・葛尾

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9月に完成したばかりの自宅前で古里について語る大山さん=福島県葛尾村で2022年12月9日午後0時11分、肥沼直寛撮影
9月に完成したばかりの自宅前で古里について語る大山さん=福島県葛尾村で2022年12月9日午後0時11分、肥沼直寛撮影

 東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域(復興拠点)となった福島県葛尾村野行(のゆき)地区は12日、避難指示解除から半年を迎えた。原発事故前から登録していた住民の帰還は1人で、自宅を建て直して避難先と行き来する「2地域居住」をする住民もわずかにとどまっている。登録上の住民は30世帯80人(1日現在)いるが、原発事故から11年という時の経過が帰還を難しくしている。

 野行地区で生まれ育った農家、大山昭治さん(85)は9月に自宅を再建した。県道沿いにある木造平屋建てで、10月には原発事故後、初めて一夜を過ごした。「県道を走る車の音に安心した。車が通るということは、誰かが行き来しているということ。日中でさえ1台も通らなかった時もあったから」

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