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増税に「聞く力」ならぬ「強い決意」の首相 背景に党内権力闘争

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自民党役員会に臨む岸田文雄首相(左)。右は嶋田隆首相秘書官=東京都千代田区の同党本部で2022年12月13日午前9時29分、竹内幹撮影
自民党役員会に臨む岸田文雄首相(左)。右は嶋田隆首相秘書官=東京都千代田区の同党本部で2022年12月13日午前9時29分、竹内幹撮影

 岸田文雄首相が示した防衛費増のための増税方針を巡り、政府・与党内では13日も反対論や慎重論が相次いだ。しかし首相はこの日も「(財源確保は)今を生きる国民の責任」だと述べるなど増税の意思に変わりはないと強調した。日ごろ「聞く力」を売りにする首相が、今回ばかりは「強い決意」(周辺)で増税に突き進んでいる背景には、財源を巡る論争が自民党内権力闘争の側面も帯びるという事情も関係している。

 「安保政策の大転換であり、時代を画するものだ」

 首相は13日の自民党役員会で、政府・与党で検討中の防衛力の抜本強化についてそう指摘した。その上で財源に関し「今を生きる国民が自らの責任として、しっかりその重みを背負って対応すべきだ」と語気を強めた。

 首相は増税方針を表明した10日の記者会見では「最終的に国民の皆さんに一定のご負担をお願いせざるを得ない」と説明していたが、さらに踏み込んだ強い表現だ。首相はこうも続けた。「自らの暮らしを守り、国を守るという国民一人一人の主体的な意識こそが何より大切なことは、(ロシアの侵攻に抵抗し続けている)ウクライナの粘り強さが示している」

 首相の増税方針表明に、政権内には「拙速だ」「経済に悪影響」といった不満が渦巻く。…

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