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舞台縦横ときどきナナメ

年間350本以上の舞台を鑑賞する記者の舞台評やコラムを随時掲載します。

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「復帰50年」が映す沖縄と本土の距離感 演劇から考える

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「ライカムで待っとく」。南里双六(左)と亀田佳明=引地信彦撮影
「ライカムで待っとく」。南里双六(左)と亀田佳明=引地信彦撮影

 沖縄の高校生で「1972年5月15日」という「復帰の日」の年月日を正しく答えたのは22%。沖縄歴史教育研究会が今年実施したアンケート調査の結果だ。ということは、本土ではもっと少ないのだろう。ともかく「復帰50年」の今年、沖縄を題材にした数多くの演劇作品が新作・旧作問わず上演された。沖縄を考えることは、日本を考えるということでもある。劇場で観客の思考の回路を開いていく意義を感じた。

 11~12月に那覇、横浜、東京で相次いで上演された2本は、アプローチこそ異なるものの、沖縄が抱えてきた不条理に対する本土との距離感、温度差を観客に突きつける、力ある作品だった。「人ごとではない」なんていう言葉では軽すぎる、胸にずしりと重しを乗せられたような感触が、見終わった後もずっと続いている。

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