にじむ攻撃力重視、かすむ専守防衛 安保3文書改定、曖昧な政府説明
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政府は16日、国家安全保障戦略など3文書を改定し、反撃能力(敵基地攻撃能力)を保有する政策転換に踏み切った。米国製巡航ミサイル「トマホーク」(射程1600キロ以上)の導入計画には攻撃力を重視する姿勢がにじむ。日本が掲げてきた「専守防衛」はかすみつつある。
従来の政府見解との整合性に「?」
「憲法及び国際法の範囲内で、専守防衛の考え方を変更するものではなく、先制攻撃は許されない」。政府は反撃能力について国家安保戦略にこう明記した。だが、裏を返せば、当然とも言えることを強調しなければならないところに、政府の説明の分かりにくさが浮かび上がる。
政府は従来、敵基地攻撃について「ミサイル攻撃などを防御するために、他に手段がないと認められる限り、自衛の範囲に含まれ、可能だ」とし、憲法上許されるとの立場。ただし、日米安保条約の下、敵基地攻撃は米軍の打撃力に依存し、自衛隊は防御に徹するとしてきた。
今回の安保戦略は「日米の基本的な役割分担は今後も変更はない」と説明するが、そもそも反撃能力の保有は自衛隊の役割拡大が狙いだ。むしろ「分担」は曖昧になる可能性がある。
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