特集

円安と物価高

日本の物価が上がっています。円安・ドル高もコスト上昇に拍車をかけ、賃上げの動きも見られます。

特集一覧

肥料や資材高騰、円安で種も値上げ 花卉農家「離農につながる」

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
シクラメンの手入れをする菱沼さん。生産コストの上昇を嘆く=宇都宮市古田町で
シクラメンの手入れをする菱沼さん。生産コストの上昇を嘆く=宇都宮市古田町で

 物価高騰や円安の影響で、花卉(かき)農家も大きな打撃を受けている。ロシアによるウクライナ侵攻の影響で肥料は値上がりし、原油高でハウス栽培に使う燃料代や輸送費、プラスチック製品の価格が高騰した。歴史的円安が重なり花の種の価格も上昇、生産者の負担は増すばかりだ。【渡辺佳奈子】

 「このままでは、花農家を続ける人が居なくなる」。シクラメンの出荷最盛期を迎えている宇都宮市古田町の農業、菱沼修さん(65)はため息をつく。今年は種を植える前から苦難続きだった。卸売問屋が例年5月ごろに発行する苗や種のカタログが、今年は7月に届いた。世界情勢が安定しなかったことで発行が遅れたという。

 花の種は輸入するものも多く、価格は全体的に昨年よりも10%近く値上がりしていた。10月には既に注文済みの分も含め、11月の発送分からカタログ価格からさらに12%値上げすると連絡が来た。菱沼さんは、「円安の影響があることは分かっているが、発注分までの値上げについて農家は誰も納得はしていない。ハウスの補修もできず、規模縮小や離農につながる」と危機感を募らせる。

この記事は有料記事です。

残り548文字(全文1015文字)

【円安と物価高】

時系列で見る

関連記事

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集