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「偽装脱会のつもりでした」。元信者の竹迫之(たけさこ・いたる)さん(55)が19歳で旧統一教会を離れたのは、教団の誤解がきっかけだった。路地裏へ連れ込まれて「サタンは去れ」と仲間に足蹴(あしげ)にされ、初めて「この団体はヤバいかも」と気づいたという。牧師として2世信者を支援する竹迫さんが、かつてはまったカルトの闇とは――。
「格安でビデオ見放題」と誘われ
竹迫さんが勧誘されたのは埼玉県にある実家で暮らしていた17歳のとき。映画監督を目指し、日本大学芸術学部の映画学科を受験した日だった。「たぶんダメだろうな」。東京・池袋の繁華街をぶらぶらしていると男性に声を掛けられた。「こんにちは。今何してるんですか」。聞き上手で、気づくと受験のことなどペラペラしゃべっていた。男性は「映画を見ながら人生の勉強をする社会人サークルのメンバー」と名乗り、連絡先をくれた。
3日後、合格発表に自分の名前はなかった。落ち込んだが、雨が降り行くところもない。「そういえば声を掛けてきたサークルがあった」と電話した。「月会費2500円でビデオ300本が見放題」が魅力だった。レンタルビデオが1泊2日で500円の時代。「断然安い」と入会し、午前は予備校、午後はサークルに通う日々が始まった。
3カ月で「頭はパンパン」に
見せられるのはキリスト教に関する映画ばかりで、聖書の勉強を勧められた。「イエス・キリストは失敗した」「新しいメシア(救世主)が必要」など、今考えると教団の教えだった。
旧統一教会元信者の牧師、竹迫之さんに迫った記事は全3回。以下のラインアップでお届けします。
上 絶対に信仰を否定しない…
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