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COP27参加の17歳問う「本当の豊かさ」 待ったなしの気候変動

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高校2年生の足立心愛さん。「今の私には、気候変動問題の活動は勉強より大事なもの」と語る=東京都千代田区で2022年12月10日、幾島健太郎撮影
高校2年生の足立心愛さん。「今の私には、気候変動問題の活動は勉強より大事なもの」と語る=東京都千代田区で2022年12月10日、幾島健太郎撮影

 気候変動対策の強化を求める運動が日本の若者の間にも広がりつつある。名古屋大教育学部付属高2年、足立心愛(ここあ)さん(17)は学校を休み、エジプトで11月に開かれた国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)に参加した。若者を突き動かすものは何か。ジャーナリストの池上彰さんとの対談で、胸の内を語った。【構成・大場あい】

怒りを覚えた日本企業の対応

 池上 COP27に参加している間、高校は「欠席ではない」という扱いにしてくれたのですか。

 足立 そうです。休んだのは週末を含めて22日間で、公欠扱いで行きました。

 池上 高校2年の大事な時期に「そんなに学校を休んでいいのか」とは言われませんでしたか。

 足立 周りの反応は好意的で「頑張って」っていう感じでした。今の私にとっては気候変動問題の活動は勉強よりも大事なもの。気温上昇を止めるにはタイムリミットがあるので、こういう活動を優先させるべきだと思っています。

 池上 スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんが毎週金曜日に国会前で座り込み始めた時、今の足立さんと同じことを言っていましたね。

 足立 私が気候変動に興味を持ったのは中学1年の時、テレビでグレタさんの活動を見たのがきっかけでした。私はテストでいい点を取ることが大事だと思っていたので、グレタさんが学校を休んだっていうのが衝撃的で。このままでは未来が危ないと思い、解決のために自分も何かしたいと活動に参加するようになりました。

 池上 グレタさんはたった一人で座り込みを始めて、あれよあれよという間にその運動が世界に広がりました。仲間が増えている実感はありますか。

 足立 私はグレタさんの行動がきっかけとなった「フライデーズ・フォー・フューチャー(未来のための金曜日)」という若者の運動に参加しました。インスタグラムでは情報発信をしています。それを読んで「(気候変動問題に関する)事実を全然知ら…

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【気候変動】

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