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宗教と子ども

親の信仰の影響を受けて育った多くの「宗教2世」たちが声を上げ始めています。

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信仰の自由か虐待か 医療拒否や食事制限… 児相「対応に限界」

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参院消費者問題特別委員会で発言する参考人の元2世信者の小川さゆりさん(活動名)=国会内で2022年12月9日午後4時41分、竹内幹撮影
参院消費者問題特別委員会で発言する参考人の元2世信者の小川さゆりさん(活動名)=国会内で2022年12月9日午後4時41分、竹内幹撮影

 信仰の範囲内か、虐待か――。宗教を背景にした虐待への対応について尋ねた毎日新聞のアンケート調査では、多くの児童相談所が憲法で保障された「信教の自由」とのバランスに苦慮する実情を訴えた。宗教団体への対応が必要になった場合、「児相では限界がある」との声も。児相に寄せられる通告や相談はごく一部とみられ、声を上げられない「宗教2世」の子どもたちをどう救うか、社会は重い課題を突きつけられている。

国に対応指針の策定求め

 「家族内で教育します」。東日本のある県では、父親が宗教の教義に基づき、義務教育中の子どもを通学させなかった。児相や学校が連携して説得したが、親は聞き入れない。健康状態や親子関係に問題は見当たらず、児相は一時保護に踏み切れなかった。

 その後、両親が離婚し、父親と離れたことで子どもは登校するようになった。県の担当者は「命に関わることや明らかな虐待があればすぐに介入できるが、宗教上の教育方針が一般的なものと異なる場合、どこまで踏み込めるのか迷う」と明かす。

 児相を設置する全国77自治体を対象にした今回のアンケートでは、…

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