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揺れる立憲、「反撃能力」の是非先送りの真相

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立憲民主党の泉健太代表=衆院第2議員会館で2022年12月9日午前10時41分、竹内幹撮影
立憲民主党の泉健太代表=衆院第2議員会館で2022年12月9日午前10時41分、竹内幹撮影

 政府が相手国のミサイル発射拠点などをたたく反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有を含む安全保障関連3文書を閣議決定した16日、立憲民主党は「政府3文書の『反撃能力』には賛同できない」とする声明を発表した。「国会での議論も、国民的合意もない」ままの決定は容認できないとの内容だ。ただしこの声明には、そもそも立憲は反撃能力の保有に賛成なのか、反対なのかという基本的認識は記されていない。声明取りまとめの過程をたどると、理想と現実のはざまに揺れる立憲の苦悩が浮かび上がった。

 「だから別に、まとめるスピード競争をした覚えはない。単に我々のスケジュール感の中で取りまとめを順調に行っている」。反撃能力保有の閣議決定を数時間後に控えた16日午前。立憲の泉健太代表は記者会見でいら立ちを隠さなかった。

 この日までに日本維新の会や国民民主党は反撃能力の保有に賛成、共産党やれいわ新選組は反対する姿勢を打ち出していた。泉氏のいら立ちは「立憲はいつ賛否を決めるのか」との質問に向けられたものだった。

 取りまとめは「順調」だとの泉氏の言葉を額面通りに受け止めた立憲関係者はほぼいない。…

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