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紫外線防止になっても、冬は眼鏡が曇ってうっとうしい。しかしマスクはまだ手放せない。厚生労働省の推計によると、新型コロナウイルスの死者が今年は3万5000人を突破したというのだ。実に昨年の約1万5000人の2倍超である。年末年始を控えて、目の前にある危機の正体を探ってみると――。
いきなり驚きの告白を聞かされた。新型コロナ対策を政府に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」のメンバーで東邦大教授、舘田一博さん(62)は今年2月、激務の中で新型コロナに感染し、人工呼吸器が必要となる重症患者として治療を受けたというのである。実は舘田さんはアレルギー体質で、これまでワクチン接種を受けられなかったことが感染原因の一つだと考えている。「つまり、僕のように高齢でもない、基礎疾患もない人でも、感染したら生死の境をさまようことになるんです。オミクロン株の病原性が下がっているとはいえません」
年初に始まった第6波以降、主流となったのが変異株のオミクロン株だ。かつて流行したデルタ株などと比べて重症患者が減ったとされる。ところが、今年の死者は11月に3万人を超えて昨年のほぼ倍に達し、同月末には1日あたりの死者数が200人を超える事態となったのだ。夏の第7波を経て晩秋からは第8波が始まったばかりで、舘田さんも青ざめる数字である。
「重症化リスクが低いとされたのはウイルスの病原性の変化だけではなく、ワクチン接種の効果が大きいからなんです。他国に遅れて感染が広がっているのかもしれませんが、それにしても多過ぎます。日本の死者数の多さは世界でもかなり目立っているのです」
ではなぜ、今年になって「コロナ死者」が急増しているのだろうか。…
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