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第82期名人戦

初防衛を目指す藤井聡太名人に、豊島将之九段が渡辺明九段に名人位を奪われて以来5期ぶりの復位を期して臨みます。

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第81期名人戦A級順位戦 糸谷哲郎八段-永瀬拓矢王座 第25局の3

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自発的対称性の破れ

 図で糸谷に本局初の4分の消費時間が記されたが、これは席を外していた時間であり、[先]6八金右は実質的にノータイムで指された。[後]4二金右なら先後同形が続くが、永瀬は僅か6分で[後]4二玉と指して先後同形が崩れた。ノーベル賞を受賞した南部陽一郎博士の「自発的対称性の破れ」理論が頭の中をよぎった。

 この手を見て、糸谷が「ふーむ」とうなり長考に入った。僅か6分で先後同形を避けた時間の使い方からしても事前研究していたことが明らか。研究の手薄なところを突いたはずの糸谷が、逆に永瀬の研究の範ちゅうに引きずり込まれてしまったようにも感じられた。永瀬の研究の広さがあまりにも驚異的なのだ。

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