有楽町線からの地下鉄延伸を阻む壁 世界に四つしかない重要施設
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茨城、埼玉、千葉県の11市町が11月、東京メトロ有楽町線から分岐する地下鉄8号線の延伸を斉藤鉄夫国土交通相に要望した。東京直結の鉄道は「同盟」を組む市町の40年来の悲願だが、事業性や採算性に課題があり、実現していない。さらに、世界に四つしかない施設が「壁」になっている。どういうことなのか。【堀井泰孝】
豊洲駅で分岐、大宝駅までの延伸要望
要望したのは11市町で作る「地下鉄8号線建設促進並びに誘致期成同盟会」(会長=鈴木有・千葉県野田市長)。1984年に結成され、有楽町線を豊洲駅(東京都江東区)で分岐させて茨城県下妻市の大宝駅まで約73・6キロ延ばすよう求めている。
国の審議会も前向きな姿勢を見せたことがある。
旧運輸相の諮問機関、運輸政策審議会は2000年に豊洲―野田市について「15年までに整備着手することが適当」と位置付けた。16年の交通政策審議会答申も、押上(墨田区)-野田市延伸は「都市部とのアクセス利便性の向上を期待」できると意義付けた。
ただこの答申では「事業計画について十分な検討」が求められた。野田市より北側については「茨城県が延伸について検討している」と記しただけ。延伸実現には、莫大(ばくだい)な建設費や需要の創出など課題が…
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