「脱炭素の対策評価」「防衛費検証を」 23年度予算案、識者は
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政府が23日に決定した2023年度当初予算案は一般会計の総額が過去最大の114兆3812億円に膨れ上がった。防衛力の抜本強化に向けた今回の予算案をどう評価するか。専門家の採点は?
国内経済の好循環作れるか
第一生命経済研究所 星野卓也・主任エコノミスト
今回の当初予算案で注目すべきポイントは二つ。防衛費の大幅増額と、脱炭素社会実現に向けたグリーントランスフォーメーション(GX)関連支出を長期的に拡大することを決めたことだ。
ここ数年、当初予算は社会保障費だけの伸びを認めてきたが、そこに風穴を開ける結果になった。今後、財政支出が国内経済を活性化する好循環を作れるかがカギになる。
防衛費の増額については、ロシアによるウクライナ侵攻など厳しい国際情勢のなかで、その必要性は理解できる。しかし、海外から武器を買うだけでは輸入が増えるだけで国内生産が増えることにつながらない。国内の防衛産業の育成など、財政支出が国内経済にプラスにつながる循環を作ることが求められる。
政府はGX関連に今後10年で20兆円規模の支出をし、民間投資を喚起する方針だ。23年度は約5000億円を支出する。これは一般会計と切り離し、特別会計で管理する。
日本の財政の特徴として、当初予算を厳しく絞り込む一方で、補正予算が緩く拡大を続ける傾向がある。財務省は…
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