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本村凌二・評 『エマニュエル・トッドの冒険』=石崎晴己・著

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 (藤原書店・4840円)

世界史左右 「家族システム」の発見

 われわれ日本人は同調圧力に弱いというが、学究の徒も例外ではない。新しい物の観方(みかた)や説明の仕方をすることに慎重で、これまでのやり方を多少ズラすくらいで済ませがちである。だから、フランスのエマニュエル・トッドのような学者はなかなか出ないのではないか。

 なにしろ肩書だけでも、人類学者、経済学者、歴史学者、社会学者、人口統計学者、地政学者、政治アナリストなどと冠されるのだから、その多様な知的活動の創造力は半端ではない。それでも、トッドの学究の基礎となるものは、まずは家族システムの人類学であり、次に人口統計学であろう。本書は、彼の著作の大半を翻訳し、日本に紹介してきた比類ない研究者による最良の手引である。

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