日産・ルノー、出資比率下げ交渉越年へ 知財がネックとなるワケは…

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
パリモーターショーで自社の車をアピールする仏ルノーのルカ・デメオCEO=2022年10月(ルノー・ジャポン提供)
パリモーターショーで自社の車をアピールする仏ルノーのルカ・デメオCEO=2022年10月(ルノー・ジャポン提供)

 日産自動車と仏自動車大手ルノーの出資比率見直しに向けた交渉は、2023年に決着が持ち越されることになった。日産の知的財産の取り扱いを巡り難航しているためだ。ルノーが欲しがる日産の知財とは何なのか。両社は長年、連合を組んで車の共同開発を進めてきたのに交渉にてこずるのはなぜなのか。

日産の知財 ルノーCEO「シェアしたい」

 「将来に向けてシェア(共有)したい知財がある」。11月8日にパリで開かれたルノーの投資家向け説明会の質疑で、日産が所有する知財の扱いについて問われたルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)は率直に答えた。

 これに対し、日産幹部は「知財は会社の競争力の源泉の一つ。(交渉で)安易な妥協はできない」と言い切る。

 日産は10年に世界初の量産型電気自動車(EV)の小型車「リーフ」を発売。22年にはSUV(スポーツタイプ多目的車)「アリア」と軽自動車「サクラ」を相次いで発売し、国内のEV市場を先導してきた。普及にはまだ時間がかかりそうで、調査会社のマークラインズ(東京)によると2021年の世界販売台数は8万1000台にとどまるが、開発のノウハウは豊富に持っている。

 一方、ルノーのEV世界販売台数は小型車「ゾエ」などを中心に16万7000台(21年)に達した。注力する欧州市場でEVシフトが急加速していることが大きく影響し、日産の倍以上を売り上げた。独フォルクスワーゲンや欧州大手のステランティスとの競争も激化している。

EV新会社巡る交渉 進展見られず

 このため、ルノー、日産、三菱自動車の3社連合は今年1月、電動車の開発に5年間で計230億ユーロ(約3兆3000億円)を投じる計画を発表。11月にはルノー本体からEV事業を分社化し、23年後半にも新規上場する計画を発表し、日産と三菱自動車に出資を要請している。

 日産はEV新会社に15%程度の出資を前向きに検討しており、ルノーも上場に向けて交渉を急いでいるため、当初、話し合いは年内にまとまると見込まれた。しかし、12月に入っても大きな進展は見られない。

 日産は1999年にルノーの資本支援を受けて以降、提携関係にある。16年からは三菱自動車も含めた3社連合で、エンジンやハイブリッド車などを共同開発し、必要な特許技術は互いに有償で共有し合ってきた。それなのにEV新会社ではなぜそう簡単にはいかないのか。

焦点は特許技術

 日産の知財の中でカギを握るのは…

この記事は有料記事です。

残り1290文字(全文2298文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の筆者
すべて見る

ニュース特集