三毛猫の毛色決める遺伝子みっけ⁉ 「成果招こう」と研究者集まる

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三毛猫の模様はさまざま。色が薄い「パステル三毛」や、茶色や黒の部分がしま模様になっている「しま三毛」もいる=2022年、菅沼舞撮影
三毛猫の模様はさまざま。色が薄い「パステル三毛」や、茶色や黒の部分がしま模様になっている「しま三毛」もいる=2022年、菅沼舞撮影

 三毛猫が雌ばかりなのは、毛色を決める遺伝子が性別を規定する染色体上にあると考えられるから――。三毛猫の毛色に関する遺伝学はかつて、大学入試センター試験で出題されたほど有名だ。しかし、毛色を左右する司令塔となる遺伝子がどれなのかはよくわかっていない。この謎を解き明かすべく、猫好きの研究者が「三毛猫遺伝子探索プロジェクト」を始動させた。

 研究は、三毛猫とそれ以外の猫の遺伝情報(ゲノム)を比較し、三毛猫特有の遺伝子を見つけ、その遺伝子が毛色を決める上でどのように働くかを突き止める計画だ。佐々木裕之・九州大名誉教授(分子生物学)を中心に、猫にぞっこんの研究者が複数参加している。

 「猫に負担を与えない」が信条。九州大がある福岡市の動物病院から、手術や検査・治療の過程で得た血液や組織を提供してもらい、ゲノムを解析する。毛色を決める司令塔となる有力な遺伝子をほぼ特定しており、今後は培養細胞などで、この遺伝子の機能を失わせたり強化したりして、どういう変化が表れるかを調べる。

 白、黒、茶色(オレンジ)の3色からなる三毛猫。複雑な毛色はそもそも、どのように生じるのだろうか。

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 性別を決める染色体は「性染色体」と呼ばれ、…

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