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男子第73回、女子第34回全国高校駅伝競走大会(毎日新聞社など主催、SGホールディングス特別協賛)は25日、京都市のたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)を発着点に男子が7区間42・195キロ、女子が5区間21・0975キロのコースで行われる。男女とも都道府県予選を勝ち抜いた各47校が出場する。
24日は京都市体育館で開会式があった。3年ぶりに全エントリー選手が開会式に参加できるようになった。新型コロナウイルス対策で2020年は開会式を行わず、21年は出席者を監督と各校選手2人に制限して簡素化されて行われた。
開会式では全国高校体育連盟の岡田正治会長が「全国から集まった高校生トップランナーが心技体の力をいかんなく発揮し、世界の舞台に羽ばたく一歩を踏み出すような素晴らしい大会となることを願っている」とあいさつした。
前回優勝の男子・世羅(広島)の小島悠生主将(3年)が「全国高校駅伝を全力で楽しみ、この冬一番盛り上がる大会を選手全員で作ることを誓います」と選手宣誓した。
開会式の前に監督会議があり、出場校のオーダーが決まった。レースは女子が午前10時20分、男子が午後0時半にスタートする。
男子、2強が軸に
男子の優勝争いは倉敷(岡山)、佐久長聖(長野)の2強が軸となりそうだ。両校ともユニホームの色が同じで、“オレンジ対決”が注目される。
都道府県予選タイムが全国1位の倉敷は1区にエース・南坂柚汰を起用した。前回大会で1区4位の実績があり、上位でたすきを渡して3区のケニア出身の留学生、サムエル・キバティで先頭に立ち、逃げ切る展開を描く。
佐久長聖は5000メートルの高校記録保持者・吉岡大翔(ひろと)を3区に起用し、留学生と真っ向勝負の構え。7区の松尾悠登は今夏の全国高校総体1500メートル2位で、アンカー勝負にも対応できる盤石の布陣で臨む。
西脇工(兵庫)や仙台育英(宮城)、八千代松陰(千葉)も優勝争いに絡みそうだ。西脇工は1区に5000メートル13分37秒台の好記録を持つエース・長嶋幸宝(そなた)を起用。前回大会と同様に、序盤から飛び出す積極的なレース運びをするかが注目される。
仙台育英は爆発力のあるエースこそ不在だが粒ぞろいの選手で、総合力で勝負する。終盤まで我慢して前を追い、アンカー勝負に持ち込めるか。八千代松陰は「スーパー1年生」の鈴木琉胤(るい)を主要区間の一つである4区で起用。こちらもアンカー勝負に持ち込む構えだ。
前回優勝の世羅(広島)、同2位の洛南(京都)は有力な3年生が抜けて前年より力は落ちるが、入賞争いに加わる力はある。埼玉栄や25年ぶり出場の熊本工も入賞をうかがう。
レース当日は低温や荒れた天気も予想され、トラックのタイムだけではない強さも求められるレースになりそうだ。【伝田賢史】
女子、神村V筆頭
女子の優勝候補筆頭は強力な留学生を擁する神村学園(鹿児島)だろう。他校の脅威は最終5区に起用された3000メートル8分42秒台の群を抜く記録を持つカリバ・カロライン。上位を狙う立命館宇治(京都)の荻野由信総監督に「東京オリンピック1500メートル入賞の田中希実(豊田自動織機)が1人いるみたいなものか?」と問うと、「田中希実(より下)のレベルじゃない」と返ってきた。それほどの実力を備える。
神村学園は例年、1区の出遅れが課題となっており、今回は1区で起用された田島愛梨の走りがポイント。有川哲蔵監督は5区にたすきが渡った時点で「(先頭と)1分以内であれば逆転できるかな」と自信を持つ。
2番手は前回女王の仙台育英(宮城)だ。エースの杉森心音(ここね)ら粒ぞろい。ケニア出身の1年生留学生、デイシー・ジェロップの2区の走りも注目だ。
釜石慶太監督は神村学園に対して「(4区終了時点で)1分~1分10秒ないと逃げ切れない」と語る。前回の優勝タイムの1時間7分16秒付近を目標にしている。
過去3回の優勝を誇り、毎年安定した結果を残す立命館宇治や過去最高順位が2位の長野東、エースの古田島彩に力がある白鵬女子(神奈川)、全国高校総体3000メートル日本選手トップの水本佳菜を擁する前回2位の大阪薫英女学院も上位を狙う。【荻野公一】
大阪薫英のアメンボガール、最速の秘密は「推進力」
前回2位の女子・大阪薫英女学院。エースの水本佳菜(3年)は今季の高校生で日本女子最速のランナー。その強さに迫った。
前回の都大路の最終5区(5キロ)、トラック勝負で留学生を抜き、2位に食い込んだ。過去2度の全国制覇を誇る大阪薫英女学院の水本。今季の高校生で日本女子最速のランナーとして、強豪の絶対的エースとして最後の都大路に臨む。
24日はエース区間の1区(6キロ)での起用が発表され、「臨機応変に対応するが、(集団なら)3キロ過ぎから勝負をかけ、貯金を作りたい」と意気込んだ。
「水面をいくアメンボのよう」。安田功監督(61)は水本の走りをそう表現する。昆虫のアメンボは水面を滑るように移動する。安田監督は水本の走りも「大きな動きをせず、ちょっと動いたらスーッといくイメージ」と説明する。上下動が少なく、効率的に力を使いながら推進力も出るため、長い距離になればなるほど強い。
今夏の全国高校総体は1500メートルが3位、3000メートルは4位でともに日本選手ではトップだった。ライバルを引っ張る強気の走りで、いずれも大舞台で安定した力を発揮した。
地道な練習が糧
「アメンボ」のような走りを可能にするのは地味な練習だ。走る量を増やすとけがをしやすいのが課題で、3年生になってからは「朝練習はずっとウオーキングや補強(運動)をやって、午後にしっかり走る」と体作りを重視してきた。
ウオーキングは1キロ4分ペースでピッチを刻み、鼻から吸って口から吐く呼吸をして、しっかり腕を振るなど細部にこだわった。「走る以上にしんどい補強(運動)」は自身の体重を利用して体の深部の小さな筋肉を鍛えた。大好きな走ることを自重し、地道な練習を続ける「しんどさ」で精神面も鍛えられた。
全国高校総体など大舞台を昨年に経験し、今年はスタートラインに立つと「緊張はするけど、目標を冷静に考えられ、自分の力を最後まで出せるようになった」という。安田監督は選手の将来を考えて、伸びしろを残して卒業させるため、強度の高い練習を課さない。それでも、水本の3000メートルの自己記録は9分5秒台で高校生の女子では日本トップクラスに位置する。
チームは前回2位のメンバーが多く残り、「今年こそは」という期待があったが、けが人が多く出た。「超低空飛行」(安田監督)の期間が長かったが、徐々に上向いてきている。その中で、安田監督は「(水本は)エースとして完全に一本立ちしている」と信頼し、「水本の走りでうちの順位が決まってくる」と強調する。
前回は1区で離され、水本が5区でたすきをもらった時点で優勝した仙台育英(宮城)の背中は見えなかった。今年は1区で「チームを勢いづける走りをする」と意気込む。卒業後は実業団のエディオンに進み、マラソンで「世界」を目指す。【荻野公一】
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