都構想なき大阪ダブル選、争点にカジノ誘致が急浮上 構図も混沌

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「大阪都構想」の賛否を問う住民投票で、投票所前で賛成・反対を訴える人たち。都構想は大阪を二分するテーマになってきた=大阪市北区で2020年11月1日午後0時37分、山崎一輝撮影
「大阪都構想」の賛否を問う住民投票で、投票所前で賛成・反対を訴える人たち。都構想は大阪を二分するテーマになってきた=大阪市北区で2020年11月1日午後0時37分、山崎一輝撮影

 この春に行われる大阪府知事・大阪市長のダブル選は、いつもと様相が異なる。大阪を二分してきたテーマ「大阪都構想」の是非が争点にならない見込みだ。代わりの争点にカジノ誘致が浮上しているが、論点とすることには異論もある。都構想に「イエス」か「ノー」かで色分けされてきた選挙構図が混沌(こんとん)としている。

過去3回は維新対非維新が激突

 大阪市を廃止して東京23区のような特別区を置く都構想は、過去3回のダブル選で最大の争点だった。推進を掲げる大阪維新の会に対し、反対する自民党や共産党などの非維新勢力が協力して対抗馬を支援。両陣営が激しく争った。

 最初は2011年。前年に維新を結成した橋下徹知事(当時)が市長選にくら替え出馬し、1971年以来40年ぶりのダブル選になった。これを維新が制し、知事と市長の座を握った。

 続く15年の選挙は、その半年前の住民投票で否決された都構想の「再挑戦」を維新が公約に掲げた。非維新はこれに反発したが、再び維新が勝った。

 19年の前回選では、過去2回自主投票だった公明党が非維新に加わった。2度目の住民投票を目指す維新と激突したものの、維新の勝利に終わった。

都構想失い、揺らぐ非維新の結束

 しかし、20年にあった2度目の住民投票で都構想は否決され、論争に終止符が打たれた。…

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