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広島・長崎原爆

1945年8月、広島・長崎へ原爆が投下されました。体験者が高齢化するなか、継承が課題になっています。

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「黒い雨」新制度で1940人に被爆者手帳 救済対象者大幅増

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「黒い雨」訴訟の控訴審判決で、全面勝訴と書かれた紙を掲げる原告団の弁護士=広島市中区で2021年7月14日、山田尚弘撮影
「黒い雨」訴訟の控訴審判決で、全面勝訴と書かれた紙を掲げる原告団の弁護士=広島市中区で2021年7月14日、山田尚弘撮影

 広島への原爆投下後に降った「黒い雨」体験者の救済を拡大するため4月に始まった新しい制度で、9月末までの半年間に全国で申請のあった3653人のうち、1940人に新たに被爆者健康手帳が交付され、「被爆者」と認められたことが毎日新聞のアンケート調査で判明した。うち110人は広島以外の24自治体の住民だった。従来の制度ではこの半年間に全国で24人にしか交付されておらず、新制度により救済対象が大幅に掘り起こされた。

識者「決して多い数ではない」

 国は、援護区域外で広島原爆の黒い雨に遭ったと訴える原告84人全員を被爆者と認めた広島高裁判決(2021年7月)を受け、今年4月から救済対象を従来の援護対象区域の外にいた人にも広げる新制度を始めた。①黒い雨に遭ったか、その可能性がある②特定の11疾病などのいずれかにかかっている――の要件をともに満たした場合、手帳が交付される。

 アンケートは10月、手帳交付の審査を行う47都道府県と広島、長崎両市の計49自治体を対象に実施し、全てから回答を得た。

 新制度による手帳交付は9月末までに東北から九州までの26自治体であり、交付された人は広島市の1283人が最多。次いで多い広島県(広島市を除く)は547人だった。「黒い雨」の現場となった広島以外では…

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【広島・長崎原爆】

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