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サッカーW杯・カタール2022

サッカー・ワールドカップカタール大会が11月20日に開幕。4年に1度の世界最高峰の戦いの様子をお伝えします

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誰のためのサッカーW杯 FIFA、カタールに肩入れ=村上正(東京運動部)

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W杯カタール大会1次リーグA組のカタール-セネガル戦。後半にセネガルが3点目を決めると、席を立って帰り始めた観客たち=カタール・ドーハのアルスママ競技場で11月25日、宮武祐希撮影
W杯カタール大会1次リーグA組のカタール-セネガル戦。後半にセネガルが3点目を決めると、席を立って帰り始めた観客たち=カタール・ドーハのアルスママ競技場で11月25日、宮武祐希撮影

 世界的スーパースター、メッシ選手を擁するアルゼンチンの優勝で幕を閉じたサッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会。国際サッカー連盟(FIFA)は大会の成功を声高に叫ぶが、初の中東開催となった現地で取材し、いくつもの疑問が残った。

 まず地元の人たちに好意的に受け入れられていたのか。初出場のカタールは開催国として初めて未勝利に終わった。欧州から指導者を招くなどした国家主導のプロジェクトの成果を披露する場だったが、ほろ苦い結果となった。

 不名誉な記録とはいえ、カタールのサッカー史に新たな一ページを刻んだはずだ。しかし最後のオランダ戦は敗色が濃厚になると、アラブの伝統的な衣装を身にまとった人々は一人、また一人と席を立ち、試合終了時には空席が目立った。試合後、選手たちはスタンドに向かって手を振り、声援に感謝の意を示したが、それに応える観客はごく一部。しらけた雰囲気すら漂い、さみしい光景だった。

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