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「自粛の年末年始」は過去 一変したコロナ対応、そのわけは

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新型コロナウイルスの5回目のワクチン接種を受ける岸田文雄首相(左)=東京都千代田区で2022年11月25日午後6時43分(代表撮影)
新型コロナウイルスの5回目のワクチン接種を受ける岸田文雄首相(左)=東京都千代田区で2022年11月25日午後6時43分(代表撮影)

 新型コロナウイルスの感染が拡大する年末年始を前に、政府の新型コロナ対策が様変わりしている。過去2年は帰省や旅行の自粛などを国民に呼びかけてきたが、今回は政府が前面に出ることは少ない。そのわけは――。

 「この年末年始を乗り越え、来年は平時の生活を全面的に取り戻そうではありませんか」

 岸田文雄首相は10日の記者会見で新型コロナ対策に関し、こう語った。首相がこの会見で触れた具体的な感染防止対策は換気の徹底のみだ。

昨年までは「帰省、旅行は慎重に」

 年末年始は1年の中で最も感染が拡大しやすい時期だ。国は帰省などで人の移動や接触機会が増えることを危惧し、2020年末には菅義偉首相(当時)が「静かな年末年始」と対策を呼びかけた。岸田首相も1年前の21年12月24日に「帰省や旅行は慎重に検討していただくようお願いする」と訴えた。

 対して今冬に向けては、政府は10月中旬、今夏の第7波と同程度の病原性や感染力の変異株による感染拡大であれば、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などの行動制限を基本的に行わないことを早々に示した。さらに年末年始の感染対策の呼びかけは、岸田首相ではなく後藤茂之・新型コロナ担当相が行った。中身も「地域や訪問先における要請・呼びかけに沿った行動を」としており、政府として自粛を促すことはしていない。

 政府が積極的な対応を控える姿は、感染者数の抑制を重視した対応をとり続けたこれまでの姿勢とは明らかに異なる。変化の背景には、…

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