香るVR空間 ミストシステム開発 場面対応、高精度再現目指す

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「ミスト」システムの概略図
「ミスト」システムの概略図

 大阪市のITベンチャー「moggie(モギー)」(森田浩代表)は、VR(仮想現実)アプリなどと連動、場面に合わせた香りをリアルタイムに噴霧する装置「ミスト」を使い、視覚、聴覚に嗅覚を加えることで、更なる没入感をアップする「ミスト」システムを開発した。

 同システムは、大阪市のナレッジサロンで結成された「Unity研究サロン」と共同開発された。

 平安時代末期に描かれたとされる「伴大納言絵巻」に専用アプリを入れたスマートフォンをかざすと、立体音響のなか、絵や登場人物が画面から飛び出しているように動き回る。さらに、応天門が炎上する場面では焦げた匂いが、朱雀門が現れる場面では、ヒノキの香りがミストから発せられる仕組み。

 香木をたいて香りを当てる室町時代から続く遊び「組香(くみこう)」を、メタバース(ネット上の三次元仮想空間)内でするミスト利用のサービスも開発中。

 将来的には、複数の香気成分を適切な比率で合成することで、さまざまな場面に対応する匂いを高精度に再現するミストの開発を目指す。森田さんは「日本の伝統文化、メタバース、香りの三つの組み合わせで、映像、音声に続く『香り』体験を普及させたい」と話している。【高橋望】…

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