アイヌ語・露語辞典、邦訳 寺田・北海学園大教授が出版 苦節28年「無二の資料」 /北海道

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翻訳した「アイヌ語・ロシア語辞典」を手にする寺田吉孝北海学園大教授=札幌市で
翻訳した「アイヌ語・ロシア語辞典」を手にする寺田吉孝北海学園大教授=札幌市で

 19世紀後半のサハリンで、ロシア人軍医が交流のあったアイヌ民族から聞き取ってまとめた「アイヌ語・ロシア語辞典」に日本語訳が追加され、このほど出版された。訳者の寺田吉孝北海学園大教授(ロシア語研究)が、中断をはさみ約28年をかけて完成。アイヌ語研究者からは「ほかに求めようがない貴重な資料」と称賛の声が上がる。

 著者はドブロトヴォールスキィ軍医。当時のサハリンはアイヌやロシア人らが混在していた。約1万1000語のうち半分以上は、患者ら現地のアイヌとの交流を通して採録。軍医は完成を目前にした1874年に38歳で死去したが、辞典は翌年に出版された。

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