特集

安全保障

日本周辺の安全保障環境が厳しさを増しています。政治や経済、外交など、日本の針路を考えます。

特集一覧

記者の目

反撃能力 公明党の容認 防衛政策の難しさ説明を=畠山嵩(政治部)

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
安保関連3文書の改定に向けた自民、公明両党による与党ワーキングチーム=衆院第2議員会館で2022年12月12日、竹内幹撮影
安保関連3文書の改定に向けた自民、公明両党による与党ワーキングチーム=衆院第2議員会館で2022年12月12日、竹内幹撮影

 政府が2022年12月に閣議決定した外交・防衛政策の基本方針「国家安全保障戦略」など安保関連3文書には、相手国のミサイル発射拠点などをたたく反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有が記された。相手国内を攻撃する能力を保有してこなかった従来の安保政策の大転換となるが、改定を巡る与党協議で「ブレーキ役」を担うと見られた公明党はすんなりと容認した。日本周辺の安保環境が厳しさを増す中、私は反撃能力の保有は避けられないと考える。ただ、専守防衛からの逸脱の懸念や反撃能力行使の判断の難しさなどについて国民に理解が浸透しているとは言いがたい。「平和の党」を掲げる公明にこそ、丁寧な説明を求めたい。

 私は22年4月から公明党担当となった。反撃能力を巡っては、自民党が同月、保有を求める提言を岸田文雄首相に提出し、首相が翌月の日米首脳会談で「反撃能力を含めてあらゆる選択肢を排除しない」と米側に伝えるなど保有への道筋ができつつあったが、公明は慎重な姿勢を示していた。山口那津男代表は9月の報道番組で「(反撃)能力を使えば必ず相手が『先制攻撃だ』と受け止め、さらに攻撃の度を増すことになっては元も子もな…

この記事は有料記事です。

残り1391文字(全文1881文字)

【安全保障】

時系列で見る

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の筆者
すべて見る

ニュース特集