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阪神大震災から17日で28年。震災を知る世代の高齢化が進み、風化の防止は喫緊の課題だ。震災の記憶や経験がないことに自問自答しながらも、未来の大災害に備え教訓の伝承に取り組む若い世代の姿を追った。
「父を継ぐ」米山未来さん
生後2カ月で起きた阪神大震災の記憶はない。だが「語り部である父の話を途絶えさせてはいけない」と背中を追い、震災の状況や防災情報の伝達に取り組むのは兵庫県・淡路島出身で川崎市の会社員、米山未来さん(28)。偶然飛び込んだインターネットのライブ動画配信サイトでの経験が「語り部2世」の道を進むきっかけとなった。
震災で地表に現れた断層を保存する北淡震災記念公園(同県淡路市)で総支配人を務める語り部の父正幸さん(56)の話を幼い頃から何度も聞き、涙を流した。だが大学進学で東京に出ると、友人が震災を知らないのにがくぜんとした。
「なぜこんな大事な話が広がらないのか」。やきもきした思いを胸に暮らす中、2018年、友人に紹介されたライブ動画配信サイトを「面白そう」と感じ、出演者として登録したことが転機になった。
当時は夢を追う出演者がスマートフォンで自撮りした動画を配信するケースも多く、最初は好きなファッションのことでも話そうと思っていた。
配信を始めると視聴者から「夢は何?」と問われることがあり「実は震災の語り部をやりたいんです」とおそるおそる本音を口にした。娯楽を求める視聴者の反発を買うのではとびくびくしたが、「いいじゃん。やりなよ」と応援され驚いた。
19年8月、父の見よう見まねで震災について…
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