フィギュア「二刀流」西山真瑚　全日本シングルで見つけた「忘れ物」

　「忘れ物」を取り戻す戦いだった。フィギュアスケートの西山真瑚（しんご）選手（20）＝早稲田大＝は男子シングルと、カップルで演技するアイスダンスとの両方に取り組んできた。

　オリンピックを目指して来季からはアイスダンスに専念するため、今季を「シングル最後のシーズン」と位置づけてきた。目標の全日本選手権（昨年12月、大阪府門真市）の男子シングルに初出場を果たすまでの日々は、自身の可能性に気づく実り多いものだった。

失敗も「自分らしい」

　全日本選手権を終え、その表情は晴れやかだった。

　「今季、シングルをやってきて良かった」

　国内最高峰の舞台で、男子シングルには昨季の世界王者、宇野昌磨選手らトップ選手が顔をそろえた。西山選手はアイスダンスで2021年に全日本選手権に出場し3位に入ったことがあるが、特別な感慨を覚えた。

　「ずっとシングルで…