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「現下の家計を取り巻く状況に配慮し、個人の所得税の負担が増加するような措置は行わない」。昨年12月8日、岸田文雄首相は防衛力強化に向けた財源確保策をめぐり、こう強調してみせた。しかし、そのわずか8日後に決定された2023年度与党税制改正大綱には、法人税、たばこ税に加え、「復興特別所得税」の延長という形で「所得増税」が組み込まれた。
複数の政府関係者は「首相の発言と整合性は取れる」と弁明するが、多くの人は「8日の首相発言は何だったのか」と感じたのではないか。税制担当記者として一連の経緯を取材してきた私自身、いまだに納得できずにいる。日本の防衛政策の大きな転換期となる重大な決定に、国民を「だまし打ち」するような手法を用いたことは将来に大きな禍根を残しかねない。
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