「中年の励みに」杉村太蔵さんがテニス大会挑戦 実は国体優勝の過去

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額に汗をにじませて練習に打ち込む杉村太蔵さん=東京都港区で2022年11月17日、加藤隆寛撮影(写真は動画から) 拡大
額に汗をにじませて練習に打ち込む杉村太蔵さん=東京都港区で2022年11月17日、加藤隆寛撮影(写真は動画から)

 元国会議員でTBSテレビの番組「サンデー・ジャポン」などのコメンテーターとして活躍中の杉村太蔵さん(43)が25年のブランクを乗り越え、テニスコートに戻ってくる。杉村さんは札幌藻岩高校時代、テニスに打ち込み、国体で優勝した実績の持ち主。「復帰」の舞台に選んだのが、100年を超える歴史を持つトーナメントの毎日テニス選手権(通称・毎トー、主催・毎日新聞社)で、優勝を目指し、トレーニングに励む姿を追った。【杉本修作】

 昨年11月、東京・高輪で久しぶりにラケットを握った杉村さんは「おふざけで出るなら他の選手たちに失礼。やるからには最善を尽くしたい」と言い、その表情は真剣そのものだった。力を込めたショットがわずかにアウトとなると、すぐさまフォームを確認。フォアハンドの感覚を取り戻すのには時間を要さなかったが、バックハンドが思い通りにいかない。ミスショットを繰り返し、ブランクの長さを痛感した。

 しかし、技術的な面以上に深刻なのが体力だ。15分間打ち合うと息が上がり、汗が噴き出てきた。年齢を重ね、体についたぜい肉が足を重くする。「これでは3セットなんて持たない。まずは体力。それとウエート(体重)」と苦笑した。

 2005年9月の「郵政選挙」で、小泉チルドレンの一人として衆議院議員に初当選した杉村さんはその後、政治家からテレビコメンテーターに転身。「サンデー・ジャポン」の準レギュラーとなるなどバラエティー番組やCMに出演し、お茶の間の人気者となった。ただ、10代のころ、テニスで輝かしい経歴を残していることはあまり知られていない。

高校3年時、国体で優勝し表彰される杉村太蔵さん(中央)=1997年10月(本人提供) 拡大
高校3年時、国体で優勝し表彰される杉村太蔵さん(中央)=1997年10月(本人提供)

 幼少期にテニスを始めた杉村さんは小、中学と地元の北海道で頭角を現し、強豪高校からいくつも誘いを受ける選手に成長した。札幌藻岩高に進学し、1997年の高校3年時、国体少年の部の男子ダブルスに出場し見事、優勝を飾った。大学もスポーツ推薦で筑波大に進んだが、中退をきっかけにテニスの一線からも退いた。「当時はテニス以外のことをしてみたかった」と杉村さん。

 ただ、頭の片隅には過去の実績とともに、いつかは再びコートに立ちたいとの思いがあった。毎トーはジュニア、一般、ベテランの三つの大会に分かれ、毎年約4000人が参加する国内最大規模の大会だ。杉村さんが今回毎トー出場を決めたのは、高校1年の時、北海道予選(現在、地方予選会は行っていない)を突破し、国内屈指のプロが参加する一般大会本戦でプレー(杉村さんは1回戦敗退)した記憶が鮮明に残っていたからだ。本戦進出を果たせたことは、今でも自慢である。

 加えて、毎トーが昨年第100回を迎えたのを記念して行われた伊達公子さん(52)との対談で、杉村さんは「もう一度、テニスに挑戦したい」と発言。伊達さんに背中を押されたのも毎トー出場を決断した理由の一つだった。

 杉村さんが挑むのは、ベテラン大会だ。35歳から5歳刻みのカテゴリーに分かれており、43歳の杉村さんは40歳以上の部となる。どのカテゴリーもそうだが、40歳以上の部には他の大会を制した経験がある猛者が集まり、今の杉村さんにとっては、1勝を挙げることすら簡単ではないのが現実だ。

 大会本番は7月の予定で、残された時間は約半年。杉村さんは「出るからには勝ちたい」と意気込みを語り、こう続けた。「中年男性が、もう一度スポーツに挑戦する。同じ思いを抱える人たちに勇気を与えたい。『杉村太蔵だってがんばってるんだから』と励みにしてもらいたい」

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 毎日新聞では、杉村太蔵さんの挑戦を追った記事、動画を毎日新聞デジタルと毎日新聞ユーチューブ公式アカウント(https://www.youtube.com/@videomainichi)にて配信していきます。

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