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「人間の弱さも醜さも」宝塚・柚香光が王子様役に見るリアリズム

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宝塚歌劇花組公演「うたかたの恋」で、星風まどか演じるマリー(右)を抱きしめるルドルフ役の柚香光=兵庫県宝塚市で2022年12月30日、梅田麻衣子撮影
宝塚歌劇花組公演「うたかたの恋」で、星風まどか演じるマリー(右)を抱きしめるルドルフ役の柚香光=兵庫県宝塚市で2022年12月30日、梅田麻衣子撮影

 「人間の弱さも醜さも強さも欲も、美しさの中に凝縮されている」。宝塚歌劇団花組トップスター柚香光(ゆずか・れい)は、宝塚大劇場で上演中のミュージカル「うたかたの恋」の魅力をこう読み解く。ロマンチックな物語の奥底に見るのは、リアリズム。宝塚を代表する「ザ・王子様」役の皇太子ルドルフを繊細に演じ、悩める一人の青年として血を通わせている。

「名作中の名作」大劇場では30年ぶり

 公演ポスターが解禁されただけで、そのビジュアルの美しさが「絵画のよう」と話題になった。「名作中の名作」と柚香は表現する。「大劇場で令和の時代にまた上演させていただくと聞いて、『おーっ』と驚くと同時にワクワクしました」

 仏作家の小説を原作に、19世紀のオーストリアで実際に起きた皇太子ルドルフと男爵令嬢マリーとの心中事件を描く。故・柴田侑宏(ゆきひろ)による脚本で、1983年に初演。近年は外部の劇場で再演を重ね、大劇場での上演は30年ぶりとなる。小柳奈穂子の潤色・演出。

 赤い大階段に、白い軍服姿のルドルフとドレスを着たマリーがたたずむ幕開きのシーン。「濡(ぬ)れた草の中の 青い小さな花 それはあなた……」。主題歌の哀感こもる旋律に乗せ、2人は互いに背中を反らせたポーズを取って抱きしめ合う――。

「渇望しているもの多い」

 令和版は衣装と舞台装…

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