仏の村で核のごみ最終処分場計画大詰め 強まる反対派への取り締まり

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地下490メートルの試験施設では、最終処分場建設に向けた実験が進められている=仏北東部ビュール村で2022年12月13日、宮川裕章撮影
地下490メートルの試験施設では、最終処分場建設に向けた実験が進められている=仏北東部ビュール村で2022年12月13日、宮川裕章撮影

 使用済み核燃料を地中に埋めるフランス北東部ビュール村の最終処分場建設計画が大詰めを迎えている。運営主体は16日、国に建設許可を申請した。認められれば、フィンランド、スウェーデンに次ぎ世界で3例目の処分場決定となる。反対派住民らの声は今も強いが、隣接する地下490メートルの試験施設では、処分場建設に向けた実験が加速していた。

放射線を遮る厚い粘土層が決め手に

 坑道の灰色の壁面に、作業員がレーザー光線を当てる。地盤の微妙なゆがみを測定、方向などを修正しながら、掘削作業が続く。放射性物質の漏出を防ぎ耐久性のある坑道をいかに造るか。そのための実験だ。これまで実験は直径5メートルの坑道で行われていたが、2020年3月、最終処分場と同じ直径10メートルの坑道の掘削が始まり、総延長は2キロを超えた。

 フランス政府は1991年以降、地下での最終処分場建設に向けた試験の実施地域としてビュール村を含む3カ所を選定。反対運動などから、98年までにビュール村だけが残った。仏議会が06年、地下での最終処分場建設の基本方針を議決し、事実上、ビュール村での最終処分場建設計画が決まった。

 決め手となったのは放射性物質の浸透を妨げる厚さ約120メートルの粘土層だ。世界で初めて認可され、25年の操業開始を目指すフィンランドでは、花こう岩の地盤を掘削し、最終処分場を建設している。粘土質の地盤に造る処分場は、ビュールが世界初となる。

 試験施設を運営する放射性廃棄物管理機関(ANDRA)の広報担当、オードレ・ギムネさんは「放射線を閉じ込めやすいのが粘土の利点。花こう岩の土壌に建設する最終処分場でも、遮蔽(しゃへい)用に粘土を使います」と語る。

 試験施設近くの地下500メートルに計画される最終処分場は、広さ15平方キロ。フランス国内の原発(現在56基)などから出る放射性廃棄物8万5000立方メートルの受け入れを想定する。搬入開始後、約100年間、科学技術の進展を待ち、より良い処分法が開発されれば、廃棄物を搬出する。閉鎖後、仮に放射性物質が漏出しても粘土層に閉じ込められ、地表に達するまでには10万年以上かかる計算だ。

 処分場が土に埋まった後、存…

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