コロナ・3年の光景

感染後、続く脳への影響(その1) 認知症、リスク2倍

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 「仕事のメールを打つのも大変」――。頭痛や倦怠(けんたい)感など、新型コロナウイルス感染症の後遺症に苦しむ男性は、メモを読み上げながら医師に症状を訴えた。記憶力や思考力の低下で記録に残さないと自身の苦しみも正確に伝えられない。

 コロナに感染すれば誰しもがなり得る後遺症では、記憶や認知の機能が衰えることが明らかになりつつある。治療法は確立しておらず、昨年秋には米国の研究チームが、感染すると認知症の一つであるアルツハイマー病を1年後に発症するリスクが高まるとの結果をまとめ、関係者に衝撃を与えた。

 60歳を迎えたこの男性は兵庫県内に住み、会社員として働く。スマートフォンのメモ帳に、「朝起きて布団の上にも座っていられない」「倦怠感で何もやることが出来ない」など日々の困りごとを打ち込むのが日課だ。男性が通院する医学研究所北野病院(大阪市)の丸毛聡医師に症状を伝えるのにメモは欠かせない。

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