大村知事、愛知に築いた王国 「敵対する理由ない」4選への余裕
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都道府県議会で唯一、共産党が議席を持たない「空白県」がある。全国で4番目に人口が多い、約750万人の愛知県だ。その中で、現職の大村秀章氏はオール与党体制を固め、19日に告示される知事選で4選を狙う。政治センスと目配りで築いた「大村王国」に死角はないのか。
鋭い感覚、地方も企業も労組も味方
「これほど素晴らしい知事はいない」。12日の事務所開きには、自民、立憲民主、公明、国民民主の各党議員や連合愛知の会長が顔をそろえ、代わる代わる大村氏を持ち上げた。
国民民主の参院議員は、昨夏の参院選で応援に入った大村氏が、1時間近くマイクを握ったエピソードを披露。「大きな力をもらった。次は私たちの番だ」と、恩返しを誓った。
元衆院議員の大村氏は、2010年に自民を離党し翌年の知事選で初当選した。選挙戦で前面に出した既成政党との対決姿勢は、次第に変化。除名された自民をはじめ各党に接近し、共産を除くオール与党体制の下で当選を重ねた。
当初は大村氏を敵視していたという県議は「私の要望を聞き入れ、企業支援策を実現した。スピード力はさすが」と評価。4月に県議選を控える議員にとって、知事との良好な関係は有権者へのアピール材料にもなる。今では「敵対する理由がない」と話す。
大村氏は「西高東低」といわれる県内格差の是正にも目を向けた。名古屋市など県西部の都市圏に比べ、東部の東三河地方の振興が遅れていると不満が渦巻いていたが、就任翌年の12年に東三河県庁を発足。三河出身の自民県議は「歴代知事は全然来なかったのに、あの人は小さな祭りにも顔を出す」と満足げだ。
県の元幹部は振り返る。…
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