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中学受験

2022年の私立・国立中の受験者数が首都圏で過去最多に。少子化が進む中、受験熱は地方にも広がっています。

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変化する中学受験、新設校相次ぐ背景に「親の危機感」

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新規開校する芝国際中学・高校の1階から2階に上がる大階段=東京都港区で2022年12月20日午前11時13分、内藤絵美撮影 拡大
新規開校する芝国際中学・高校の1階から2階に上がる大階段=東京都港区で2022年12月20日午前11時13分、内藤絵美撮影

 中学受験がピークを迎える。受験者数が8年連続で増加し、「国際化」を旗印に、学校名を変更する新設校が相次ぐ。東京女子学園中学・高校(東京都港区)もそのうちの一校で、2023年4月に芝国際中学・高校となって新たなスタートを切る。英語教育だけでなく、STEAM(科学、技術、工業、芸術、数学)教育や探究型の授業など「世界標準」をうたう。そうした私立校が増加する背景には、どのような保護者の思いがあるのか。識者に聞くと、ある危機感が浮かび上がった。

「共学化」+「世界標準の教育」による学校改革が続々

 都内では、歴史的に私立女子校が多く、少子化も相まって、共学化とともに、「世界標準」の教育カリキュラムをうたう学校が相次いで新設されている。

新規開校する芝国際中学・高校の普通教室=東京都港区で2022年12月20日午前11時19分、内藤絵美撮影 拡大
新規開校する芝国際中学・高校の普通教室=東京都港区で2022年12月20日午前11時19分、内藤絵美撮影

 校名に「国際」を冠する私立校だけでも、15年に三田国際学園中学・高校(前身は戸板女子、世田谷区)、22年にサレジアン国際学園中学・高校(同、星美学園、北区)が開校しており、23年にはサレジアン国際学園世田谷中学・高校(同、目黒星美学園、世田谷区)、25年には羽田国際中学(同、蒲田女子、大田区、高校は24年)が開設を予定する。

 国際の冠はなくとも、15年には開智日本橋学園中学(同、日本橋女学館、中央区、高校は18年)、21年には広尾学園小石川中学・高校(同、村田女子、文京区)が、同じように学校改革によって新しく生まれ変わった。

不確実な時代への危機感

 国際化や共学化など学校改革が相次ぐ背景には、何があるのだろうか。

安田教育研究所の安田理代表=東京都千代田区で2020年9月14日、武市公孝撮影 拡大
安田教育研究所の安田理代表=東京都千代田区で2020年9月14日、武市公孝撮影

 安田教育研究所の安田理(おさむ)代表は、「これまでの学校選択は、大学進学実績が大きな指標でした」と話す。だが、学校選択の基準は変化している。

 「進学実績に加え、今は、グローバル教育、STEAM教育、探究型授業など、社会に出て役立つスキルが身に付けられるかどうかを、学校選択の基準にする人が増えてきました」

 その背景について、「これからの社会は、不確実で大きく変動する時代」と位置づけ、「そんな厳しい時代を生き抜く武器として、子どもが将来役立つスキルをつけてほしいという思いが保護者の間で強くなっています」と分析する。

 保護者の思いが、学校改革を押し進めた。「特に、働く親は、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少で国内市場が縮むことへの危機感を肌で感じています。エネルギーや環境問題、半導体などあらゆる分野でグローバル化が進み、日本だけで解決できなくなっています。子どもが巣立つ将来への危機感と、世界のどこでも働けるようになってほしいという思いから、次の時代を見据えた教育を掲げる学校の人気が高まっているのではないでしょうか」【大沢瑞季】

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