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「総理を狙う男」はリングに上がることすらできずに敗れ去った。親しみやすさをウリに絶大な人気を集め、名古屋市長を4期13年務める河村たかし氏(74)。19日に告示された愛知県知事選で政敵の現職、大村秀章氏(62)の対抗馬を出すことができなかった。12年前、盟友だった一回り年下の大村氏を知事選に担ぎ出して当選させたが、今や犬猿の仲に。時代は変わり、かつて「平成の織田信長」とも自称した河村氏の存在感は完全に薄れている。
長く続かなかった「村村コンビ」
「スタートアップといって、英語にすりゃあいいわけではないんですね。ベンチャーとどこが違うのかよう分かりませんけど」。6日に名古屋市公会堂であった国内最大級のスタートアップ(新興企業)支援拠点の起工式。大村氏の肝いりプロジェクトの門出に来賓として招かれた河村氏があいさつすると、会場から苦笑が漏れた。
大村氏が任期満了に伴う知事選で初当選したのは2011年2月。知事選と名古屋市長選、市議会解散の賛否を問う住民投票の「トリプル投票」を狙って辞職した河村氏に要請され、自民党を離党して出馬した。
2人はそれぞれ地域政党を作って既成政党との対決姿勢を鮮明にし、県と市の二重行政を解消する「中京都構想」や「県民税・市民税10%減税」など共通の公約を掲げた。大村氏は自転車を新調し、野球帽をかぶって自転車で駆け回る河村氏の選挙スタイルをまねて圧勝。ライトアップされた名古屋城をバックに2人は固く抱き合い「庶民革命」「新時代の幕開けだ」と気勢を上げた。
だが「村村コンビ」の蜜月は、そう長くは続かなかった。…
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