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第72期王将戦

第72期ALSOK杯王将戦の特集ぺージです。記事、動画、棋譜、写真特集などで歴史的対決の様子をお伝えします。

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深浦康市九段と木村一基九段が占う世紀の王将戦 オンラインイベント

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王将戦について語り合う(右から)木村一基九段、深浦康市九段、新土居仁昌記者=東京都港区の毎日新聞麻布赤坂販売所で2023年1月17日、小林努撮影
王将戦について語り合う(右から)木村一基九段、深浦康市九段、新土居仁昌記者=東京都港区の毎日新聞麻布赤坂販売所で2023年1月17日、小林努撮影

 将棋の第72期ALSOK杯王将戦七番勝負が開幕し、今月8、9日の第1局では5冠を持つ王者・藤井聡太王将(20)が、挑戦者でタイトル通算獲得数99期を誇るレジェンド、羽生善治九段(52)を退けた。毎日新聞社は17日、両者をよく知る深浦康市九段(50)と木村一基九段(49)を招いたオンラインイベント「深浦九段・木村九段が読み解く『王者』対『伝説』 決戦の行方」を開き、今後の注目ポイントなどを90分間にわたって探った。将棋ファンが待ち望んだ新旧王者対決。「地球代表」の愛称で知られる深浦九段と「千駄ケ谷の受け師」の異名を取る木村九段はどう見たのか。聞き手は大阪本社学芸部の新土居仁昌記者が務めた。【丸山進】

第1局をどう見る?

 登壇した深浦九段は、2007年に王位を羽生九段から奪い、翌年に挑戦者として七番勝負に戻ってきた羽生九段を再び破った“羽生キラー”として知られる。藤井王将にも3勝1敗と勝ち越している数少ない棋士で、圧倒的な強さの藤井王将を「将棋星人」と畏怖(いふ)する将棋ファンからは、対抗できる存在として「地球代表」の愛称で親しまれている。

 一方の木村九段は職人芸のような守りの強さが身上で、「千駄ケ谷の受け師」の異名を持つ。タイトル挑戦7回目となった19年の王位戦七番勝負を制し、初タイトル獲得の史上最年長記録(46歳3カ月)を樹立した。翌年には藤井王将にタイトルを奪われたものの、同じ年のNHK杯将棋トーナメント戦では藤井王将から白星を挙げている。

 この日、最初のトピックスは「第1局を観戦しての率直な感想」。藤井王将が先勝した第1局を、それぞれどう見ているのかを尋ねた。

作戦面白い羽生、直線力強い藤井

 羽生九段は8手目で、最近指していない「一手損角換わり」の戦法を選び、意表を突いた。開幕前から「オールラウンダーの羽生さんが、どのような作戦を持って来るか注目していた」という深浦九段にとっても、羽生九段の選んだ戦法は予想外だったようだ。「意外過ぎて驚いた。藤井さんが先手番で『相早繰り銀』の戦型だったので、『一手損』が生きない形。私には理解しにくかった。面白い取組が始まったと思った」とその後の展開に期待が膨らんだという。

 羽生九段の作戦を巡っては、王将戦リーグ全勝優勝の原動力になった「横歩取り」を予想する棋士も多かった。木村九段も「横歩取りが出てくると予想していましたが、まさかの一手損角換わり。作戦の立て方のうまさを感じました」と驚いたことを明かした。また、封じ手の局面については「藤井さんにとっては経験のないところに踏み込んでいるので不安感があったと思う。一方の羽生さんはそのような局面になることもあるだろうと考えていたとは思う。部分的には、情報量では(羽生さんが)有利だったと思う」と感心して話していた。

 戦いは、2日目の昼食休憩までは互角に推移。午後に入り、藤井王将が6六にいた歩を▲6五歩~▲6四歩と捨ててから▲6六桂と打ったのが「桂馬の場所を作った高度なテクニック」(木村九段)。それ以降は、一方的に攻めた藤井王将が快勝した。深浦九段は「藤井王将の直線に入った時の力強さが印象に残った」と振り返った。

藤井王将 緻密な序盤 間違わない終盤

 「藤井王将はこれまでの大棋士と比較すると、どんなタイプになるか?」という視聴者からの質問をきっかけに、藤井王将の強さについても話題になった。力強い受けで知られる大山康晴十五世名人や、無理のない流れるような手順で「自然流」と呼ばれた中原誠十六世名人ら、往年の大棋士と比べると、どんな特徴が見えてくるのか。

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【第72期王将戦】

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