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平成の日本政・官界を取材してきた伊藤智永専門編集委員が担当するコラム。

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池田勇人の所得倍増=伊藤智永

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 「令和版所得倍増をめざす」

 一昨年秋の自民党総裁選で岸田文雄首相は「新しい資本主義」の中身をそう語った。それが昨年春に「資産所得倍増」、さらに「投資倍増」へ変わり、今や「軍拡増税」を掲げて高ぶっている。

 国民所得倍増計画(1960年)といえば岸田派(宏池会)創設者・池田勇人(はやと)元首相の金看板だが、「所得倍増」が初めて登場したのは石橋湛山内閣の時である。

 56年12月の総裁選に勝った2週間後、自民党の57年度予算編成基本方針に完全雇用と並ぶ新経済政策の「目途」として明記。これで湛山は緊縮財政を積極財政に転換し、高度経済成長の扉を開く……はずが、病を得て退陣した。

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